銅板で作る折り鶴

  1. HOME
  2. 銅板で作る折り鶴

長寿と平和の象徴…鶴

連鶴は、三重県桑名市に江戸時代から続く技である。
2羽を繋げた鶴は「妹背」といい、結婚式に出てくる言葉で夫婦を意味している。また、兄妹も妹背という。
3羽繋がった連鶴を「花見車」といい関連語に天辺・頂辺があり、高い所や頂点、頂を意味している。
弊社は、折り紙の連鶴が立体的になれば、父親が子供に「高い、高い」をしている姿を連想して、親鶴の間に小鶴を繋げ宙を浮かせることで「和やかな家族」が表現できると思い、“連鶴”に着手をしました。
2羽の「連鶴・妹背」や3羽の「連鶴・花見車」は、「夫婦」や「一番上」と位置付け、親鶴の間に小鶴を入れた連鶴は、「連鶴・幸せ家族」としました。
親子鶴は、米寿・結婚・新築などのお祝い品として製作しています。
親しい人への贈り物などに最適です。

銅板折り鶴の発祥

銅板折り鶴は、広島の原爆ドームでの千羽鶴の焼失に伴い、京都板金工業組合の青年部の方々が、金属(銅板)で作ることで焼失することのない千羽鶴を“贈り物”として考案されたと聞いております。

建築板金とは

主に薄い金属板を使って、切断したり、折ったり、曲げたりして加工することにより、屋根・外壁・雨樋をはじめ、厨房のダクト・天蓋・排気筒・内壁、あるいは工芸品など、いろいろな分野にわたります。主に建築物の所定箇所の製品を加工して取り付ける工事まで行う業態を言います。
建築板金の専門的特徴として、下記が挙げられます。
①金属を曲げたり延ばしたりして塑性加工する技能・技術を有し、その金属の特徴に精通している。
②建築物において雨仕舞い(雨漏れ処理)に精通し、建築物の耐久性を高める技能・技術を有している。
③伝統的な飾りの系譜をふんでいるため、美観・景観づくりに精通し、独特で繊細な技能・技術を獲得している。

新潟県長岡市小国地域

新潟県長岡市小国地域は、長岡市の南に位置し、人口約5,000人の町で、周囲を山に囲まれた地域です。主産業は米作りの農業で、次に建設、建設業に携わる人の割合が多かったのですが、少子高齢化が進み、近年では廃業する建設業者も目立つようになりました。
当社は春(3月下旬)から初冬(12月中旬)までは、顧客様からの工事受注や、建築屋さんからの工事依頼、同業者への協力等でやりくりをして、冬期間(12月下旬~2月中旬)は、顧客様(30件)の屋根除雪等で1年を過ごしているのが現状です。

当工房の親子銅板折り鶴

親戚で米寿の祝いがあり、長年培ってきた手作業の技術を使って何かお祝いをしたいと考えていたとき、以前教わった「夫婦銅板鶴」を思い出して、記念品として贈ったところとても喜んでいただけました。その時ふと頭をよぎりました。「これは仕事になるのではないか」と。
普段営んでいる板金業が常に不安定な業界であり、若者の雇用増への懸念も含め、除雪などの決まった仕事しかない冬季間に室内でできる仕事を作りたいなど、通年で安定した事業ができないかと常々考えていたのですぐさま製品化へ向け取り組みました。
以前教わった「夫婦銅板鶴」に、子どもの鶴を加えた3体にすれば、長寿のお祝いだけでなく、家族愛・家族の和・家族の絆といった意味もふくんだ作品になると考え、研究を重ね製品にすることができました。末長く飾っていただけるよう無垢材の台座に乗せ、保護をするためにケースに収納しております。

親子銅板折り鶴の用途

用途として、”長寿”を祈念して床の間に飾って頂いたり、”家族の和”への思いから玄関の下駄箱の上やリビング等に飾って頂きたいと思います。また、縁起物や商売繁盛の象徴として、宴会場の床の間や、会社のカウンター等に置いて頂けたらと思います。

銅板親子折り鶴が出来るまでの工程

その1

銅板に、カーボン紙と原図を乗せて複写後、ケガキ針でケガキ直す

その2

ケガキ線通り切断を行う

その3

工具を用いて手順にそって折り込む

その4

Sサイズ、3体の出来上がりです